覚醒者3号-第二次調査報告-
壊疽(えそ)とは、体の一部分を構成する細胞だけが死滅する事。

私が触れた事によって、1号の腹部の細胞が死んだのだ。

「ギギギっ!?」

その事に驚愕したのか、1号は黛さんを解放し、私から距離を置いた。

「黛さん…っ」

地面に投げ出された、ボロボロの姿の黛さん。

私は彼女の傷だらけの体に触れる。

途端に。

「…う…あ…?」

1号によって砕かれた右肩や、各部の骨折、裂傷がたちどころに回復していく。

「……」

黛さんは体を起こし、驚いたように私を見ていた。

「治癒能力…ヒーリング…?」

「……」

相変わらず表情には出ない。

でも私だって驚いていた。

素体として失敗作とされ、この廃棄場にうち捨てられた私が…まさか超能力に覚醒するなんて。

私が四人目の覚醒者…覚醒者4号になるなんて。

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