覚醒者3号-第二次調査報告-
「ななみちゃん!」

倒れた少女に駆け寄る私。

「……っ…!」

ななみちゃんは傷の痛みに小刻みに震えながらも、健気に立ち上がろうとしていた。

額が切れ、血が流れている。

唇も切れたのだろうか。

口元には血がこびりついていた。

「ななみちゃん、無理よ!貴女じゃ1号には勝てないわ!」

彼女の体を支える私。

しかし。

「私しか…」

ななみちゃんは表情を変えないながらも、断固とした決意で言う。

「私しか戦えない…私しか…1号に対抗できない…」

「ななみちゃん…」

それは敗北する事を知っていながら絶望的な戦いに臨む、少女の悲壮なまでの決意だった。

その決意を嘲笑うように。

「ウひ…ウヒャはひはヒャハハハハハ…!」

壊れた笑い声を上げながら、1号がゆっくりと歩み寄ってくる。

「ドッチニ…シヨウカナ…ドッチカラコロソウカナ…!」

私とななみちゃん、二人に指を向けて、品定めをするように迷いながら。

「キィイィィメタッ」

1号は、背筋が凍りつくような戦慄の笑みを浮かべた。

そして。


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