覚醒者3号-第二次調査報告-

哲平

大地を薙ぎ払った炎は、今も消える事なくメラメラと燃え盛っている。

俺はその炎を油断なく見つめながらも、黛さんと一人の少女を見た。

「なぜ1号がここに?」

「機関のヘリに輸送されてきたのよ。気をつけて、機関で再調整を受けて能力を強化されているわ」

傷ついた少女を抱きしめたまま、黛さんが言った。

その時。

「2ゴォォオォォおオォォオォォオォォオォォッ!!」

炎の中から1号が飛び出してきた!

身につけているアサルトスーツに火がついたまま。

それを意にも介さず、ロケットよろしく炎の中から飛び出してきた1号は、黛さんと少女に一直線に襲い掛かり。

「!!!!」

俺は、少女に向けて放たれた1号の拳を、寸前で片手で受け止めた。

「……」

表情こそ変えない少女。

しかしその両の瞳は、驚きに見開かれている。

「…大丈夫か?」

1号の拳を受け止めたまま、少女の顔を見る。

「…うん」

呆けたように、少女は小さく一度頷いた。

直後。

「ぐっ!?」

俺は片膝をつく。

1号に拳で押し切られそうになったのだ。

純粋な腕力だけで、俺に片膝をつかせる。

こんな細身で、何という怪力…!

薬品投与による驚異的な身体能力を持つ1号のパワーは、俺をも大きく上回っていた。

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