覚醒者3号-第二次調査報告-
十数メートルの距離。

これを詰めて1号の懐に飛び込まなければならない。

半端な事をしていては、1号の念動力の集中砲火を受けるだけだ。

と。

「小山田君」

黛さんが俺の隣に立ち、そっと耳打ちした。

「…そうか」

俺は頷く。

彼女の瞬間移動があれば、1号の懐に入るのは造作もない。

ならばそれを利用して。

「いくぞ!」

俺は声を上げた。

同時に。

「っ!」

黛さんが瞬間移動を行使する。

「ギッ!?」

1号が素早く反応した。

常人では考えられない反射速度で振り向き、身構える。

彼女は瞬間移動に対しても先読みして、迎撃態勢に入れるようになっていた。

しかし。

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