BAD & BAD【Ⅱ】
「お前が真面目に登校してるとか、雪でも降るんじゃねぇのか?」
「失敬な!私だって、真面目になる時くらいあるんですぅ」
空を見上げたたかやんに、ムッとしながら言い返す。
本当はサボろうと思ってたけど。
そのことは内緒にしておこう。
「つーか、なんで女装してんの?」
「女装じゃねぇよ!!」
剛の意地悪な質問に、全力で即答してやった。
私は最初から女だ!
「でもさ、ぶっちゃけ女装だって思っちゃうよね~。だって、幸珀、神雷では男装続けてんだもん」
不良だとバレて、高嶺の花の地位が揺らいだら、全校生徒の期待を裏切っちゃうでしょ?
美人には美人なりの悩みがあるのよ。美しいって罪だわ。
それに、私のイケメンさを知らしめるいい機会だし。
「また変なこと考えてんだろ?」
「私にはいいところしかなくて困ってた」
「俺はバカなお前に常に困ってるけどな」
「バカって言うのやめてくれる!?たかやん」
「バーカ」
「やめて!!」