BAD & BAD【Ⅱ】
もういいや。
師匠、すみません。めんどくなっ……、ゴホンッ、断腸の思いで、無視させていただきます!
「やっぱり、パーカーマンはかっこいいなあ!」
はいはい、そうですね。かっこいいですよね。自他共に認めてます。
褒められて悪い気はしませんが、さっさと先に行ってください。邪魔です。
心の中で相槌を打ちながら、ハイペースで登っていく。
すると、上からコロコロと小石が転がってきた。
目に砂が入らないように、俯いて目を瞑る。
さっきまで転がってこなかったのに、どうしていきなり……?
浮かんだ予想に、顔をしかめる。
小石や砂が奥底に落ち、恐る恐る目を開けて、視線を上にずらしてみる。
「ま、まさか……」
「パーカーマン、がんば……れっ?」
……そのまさかでした。
師匠が落とし穴に接近した途端、師匠の足元が崩れ出したのだ。