BAD & BAD【Ⅱ】




私はしゃがんで、怪我してるくせに元気そうな師匠に、私の背中に乗るように促した。


おずおずと肩に腕を回した師匠をおぶって、立ち上がる。



おっも……!

予想以上に、重いっ!


もしや、太りましたね師匠。原因は、桃太郎の手作りスイーツか。



華奢な女の子が、男を背負うもんじゃないな。


平均より若干力持ちな私じゃなかったら潰れてたよ。師匠、ここにいたのが私でよかったですね。



ぎっくり腰になったらどうしよ。これ、結構深刻な問題だぞ。



「わあ、すごい!」



一気に師匠のテンションが高くなった。


第一声がそれって、子どもかよ。可愛いな。



「幸珀ロボ、はっしーん!」


「誰がロボだ」



私はれっきとした人間だ。

おぶってやってる恩を忘れたんですか?



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