BAD & BAD【Ⅱ】
真修が裏で、皆の雰囲気を操ろうとしていたとは。
侮れないな。
「これ、飲んでもいいか?」
「あ、桃太郎さん!どうぞどうぞ」
テーブル前に座っていた私と真修に声をかけてきた桃太郎は、肩をぐるぐる回しながら私と真修の間に座った。
「どうしたの?なんか暗いよ?」
「察しろよ!」
「逆ギレしないで」
「してねぇし!」
「はーい、これでも飲んで落ち着いてー」
私はしれっとした顔で、桃太郎に無理やり紅茶を飲ませた。
ちょうど飲みたがっていたし、ナイスな思いやり精神でしょ?
「ゴホッゴホッ。お、おまっ、急に何しやがんだよ……!」
「落ち着いた?」
「落ち着けるわけねぇだろうが!!」
あっれぇ、おかしいな。真修の紅茶は、さっき試し飲みしたら絶品だったのに。
心なしか、桃太郎の機嫌が悪くなった気がする。