BAD & BAD【Ⅱ】
すると、真修率いる下っ端組がお風呂から上がり浴衣になって、大部屋に帰ってきた。
「只今戻りましたー……って、あれ?何かあったんですか?」
真修は、私達が囲んでいる師匠の目元が赤いのに気づいて、ハッとして師匠に近づいた。
「総長、どうしたんですか?ま、まさか、幸珀に泣かされたんですか!?」
「なんでそうなるの」
私が師匠を泣かすわけないでしょうが。
真修にとっての私のイメージは何なの。ガキ大将か何か?
目の前に私がいるってのに、失礼すぎるでしょ。
初めから犯人を断定するな。
泣かしたのは弘也だよ。
「とりあえず、師匠達もお風呂に入ってきたらどうです?」
さっぱりしてからの方が、話もスムーズに進むだろうし。
師匠の顔があまりにも悲惨すぎるから、お風呂でリフレッシュしてきてほしい。
「で、でも……」
師匠はあからさまに戸惑いを表情に浮かべながら、パーカーの裾をキュッと引っ張った。
そうか、師匠は傷だらけの体を皆に見られたくないんだ。
助けは求めたけれど、秘密を晒す度胸はなくて。
皆にどう思われるかわからず、恐れているんだ。