BAD & BAD【Ⅱ】
これくらい積極的になった方が、消極的な男子は喜ぶもんなの。
肉食系女子が読んでそうな雑誌のSM特集に、そう書いてあった。
「どう?ドキドキしない?」
下っ端の奴らの怯えきった姿を見て確信した。あの雑誌は嘘つきだと。
全然ドキドキしてない、だと!?どうなってんだ。
そんなに怯えなくてもいいじゃん。
これじゃあ、私が悪者だ。ひどい。私はただ、皆とゲームして、けちょんけちょんにぶっ倒したかっただけなのに。
もういいや。
あの雑誌の特集が嘘だったとしても、このまま引っ張ってでもゲームに付き合わせてやる。
私は真修の頭に手を置いて、真修の背後にいる下っ端の奴らを引きずり出そうとした。
だが、すぐに動きを止める。
「……ちょっと真修」
「へ?」
「髪、乾いてないじゃん!あんた、もしかして、まだ濡れた髪の状態のまま寝てるの?風邪ひくよ!?」
「あは」
あはじゃないよ、あはじゃ。
図星か、てめぇ。