BAD & BAD【Ⅱ】
真修からタオルを取ったと同時に、部屋の扉が開いた。
師匠達がお風呂から上がり、浴衣に着替えて戻ってきたのだ。
……って、あれ?
「皆、どうしたの?」
師匠以外の皆の様子が、おかしい。
皆して師匠を囲んで、憂いているというか、過保護になってる……?
師匠が微妙に迷惑そうにしてる。
何してるの、皆。早く通常運転にスイッチ切り替えて、師匠のそばでうじゃうじゃしないで。師匠を楽にしてあげて。
「京、重症、やばい」
「ちゃんと文章作って」
いつにも増して、凛がだらけてる。
検索ワードみたいに単語だけ並べないでよ。
そんなんでわかるわけないだろうが。
「大浴場で事故でも起こったんですか?」
「起きてねぇ」
焦りながら尋ねた真修に、凛は無機質に返した。
ドジな真修じゃないんだから、そうそう事故なんか起きないでしょ。……いや、こいつらなら大いにあり得る、か?