BAD & BAD【Ⅱ】
神雷は常にはっちゃけてるもんなぁ。いつ事故が起きても不思議じゃない。
でも、今回は違うんだよね?ふぅ、よかったよかった。
「じゃあ、師匠が重症ってどういうこと?」
「京の体が、き、き、き……」
「き?」
「傷だらけだったんだよおおおっ!!」
弘也が師匠の体を心配しながら、震え声で叫んだ。
こいつ、まだ酔ってるの?それとも、素?
師匠の体を直視してうろたえるのはわかるけど、ゲーム機破壊事件の直後だからなのか慌てすぎ。
もう少し、平静を保って。
「本当に痛くねぇのか?」
「うん、平気。大丈夫だよ」
弘也とは打って変わってさっぱりとしているたかやんも、師匠を気遣っている。
師匠は、こうなるのが嫌だったのだろうか。
仲間に同情されるのが。
だからずっと、無数の傷痕を隠し続けてきたのだろうか。