BAD & BAD【Ⅱ】
仲間とはいえ、他人の家庭問題に首を突っ込むのは、桁違いのおせっかいで。
ついでに言わせてもらえば、常識はずれだ。
師匠の事情を全て聞いたとしても、私達ができることなんてたかが知れているのかもしれない。
ましてや、何もできなくて、事情を聞いただけで終わる可能性だってある。
それでも。
「師匠のお願いとあらば、喜んでお助けしますよ」
その不本意な可能性に振り回されることなく、真正面からド派手に首を突っ込んでやろうじゃないか。
皆も私と同じ気持ちらしく、顔を見合わせてニッと強気に笑った。
師匠へ掲げられた仲間の拳に、強ばっていた師匠の表情が和らいでいく。
「皆、ありがとう!」
世間体?常識?
そんなの知らないね。
おせっかいだろうと、無意味な抵抗だろうと、なんだっていいさ。
だって、私達は常識なんか気にする、いい子ちゃんなんかじゃない。一応正義感はある、強くて悪くて立派な、不良。
仲間が涙を流してまで想いを託したのならば、引き返しはしない。