BAD & BAD【Ⅱ】
「大体の作戦会議は話したことだし、弥生家をなんとかしよう大作戦決行の前夜祭として、今夜はゲーム大会で盛り上がろう!」
「相変わらず、ネーミングセンス最悪だな」
「はあ?いい作戦名でしょ?」
「全然」
早速難癖を付けてきた剛に、皆が満場一致で同意した。
なぜ!?
皆して、私のセンスがわからないの!?
素晴らしい作戦名だと思うけどな。
私は若干ふてくされながらも、作戦会議をやめて、皆と仲良く(というより、うるさく)ゲーム大会を再開した。
うっすらと感じていた圧が、だんだん消えていく。
皆とゲームをする度、リラックスした気分になれる。
それは、私だけじゃなく、師匠や他の皆も同じだったみたいで。
傷痕も痛みも、騒がしい楽しさに覆いくるめられて、気づけば笑顔の絶えない空間になっていた。
苦しさを忘れたわけじゃない。
ただ、“今”が過去を超えただけ。
苦しさを、苦しさだと思わなくなった、だけ。