BAD & BAD【Ⅱ】
流れた涙が、乾いて。
波紋を生んだ、秘密が解けて。
緊張でいっぱいだった勇気が、泡沫に刻まれた。
たくさん落とされた言の葉は、いつかアルバムの切れ端になって、少年時代の欠片になるのだろう。
些細なことだったかもしれない。
どこにでもある、他愛のない景色だったかもしれない。
それでも、私達にとっては、ちっぽけでかけがえのない青春そのものだった。
長くて長くて……長かった1日が、ようやく幕を閉じる。
色あせた夜の空に、日が昇る。
眩しい明日が、輝かしい今日に変わる。
平等に訪れた太陽は、私達を照らしながら、「朝だよ」と優しく囁いていた。