BAD & BAD【Ⅱ】
なんとなく、たかやんにうんざりされたのを感じて、眉をピクリと動かす。
なんだかムカムカしてきて、否応無しに夢の世界から追い出されていく。
あああっ、待って待って!
お願い、もう少し夢を見させて。
夢の世界を追放されたくない。
静かに寝ていたいのー!
「いい加減起きろよ、バカザル」
「あっさでっすよーん!」
「幸珀!起きて、幸珀!こ・は・くー!!」
いった。痛い、痛い!
私を足蹴にしてるのは、誰!?
可憐な乙女を蹴るなんて、最低極まりない!よくそんなことができるね。犯人は絶対にモテないんだろうな。
背中、あの、蹴んな……痛っ。
いっ、痛い、痛いって!
だーかーらー、
「蹴んじゃねぇっつってんだろうが!!」
「……おっ、やっと起きた~」
怒鳴りながら飛び起きたら、弘也がため息混じりに呟いた。
お前か、弘也。私を蹴ってたのは。
「そろそろ、私のこと女の子扱いして!?」
「幸珀がおっさんみたいに、こんなとこでいびきかきながら大の字で寝てたら、そりゃ女の子扱いなんてできないでしょうよ」
「誰がおっさんだ、このクソボケナル男」