BAD & BAD【Ⅱ】
それから数分後。
京ママは泣き疲れたのか、それとも安心したからなのか、師匠の肩にもたれかかりながら眠りについてしまった。
もう真夜中だ。眠くなるのも仕方ない。
息を殺して作戦の最後を観察していた傍観者の私達は、キッチンから出てきて、できるだけ静かに師匠の近くに駆け寄った。
ふと見た京ママの寝顔は、どこかスッキリした様子で、とても晴れやかだった。
師匠は京ママを寝室へ運んであげた。
「結構かっこよかったですよ」
リビングに戻ってきた師匠を、私は上から目線な態度で褒めた。
「何様だよ」
「作戦のリーダー様っ!」
「えらそうにすんじゃねぇ、へぼリーダー」
たかやんに頭を小突かれてしまった。
またヘボって言いやがったな!?
「俺もかっけぇと思ったぜ?さすがは俺らの総長だな!」
「ほ、本当?俺、ヒーローになれたかな?」
「ああ、なれたよ!俺が保証する」
剛が師匠の肩に腕を回して、ニッと口角を上げた。