BAD & BAD【Ⅱ】
ネーミングセンスゼロの、弥生家をなんちゃらかんちゃら大作戦は、きっとどうにかなるだろう。
別に、これといった理由は特にないけど。
なんとなく、大丈夫な気だけはしてる。
明日作戦を遂行したら、また1つ、水面下で秘めやかに企ててきた作戦が始まる。
俺的には、もう1つの方が不安でしょうがない。
幸珀と桃太郎と京と真修が、テレビの前でやっているカーレースを観戦しながら、ひっそりと大部屋を出て行った。
わいわいぎゃーぎゃー、扉を閉めても喧騒がひっきりなしに聞こえてくる。
『……ははっ、相変わらず神雷はうっせぇな』
だらしなく表情筋が緩んでしまっていることになんか気がつかずに、気分転換に森閑とした廊下を歩いて行った。
自然豊かな庭の前で、足を止める。
そういえば、昔おじいさまがこの庭を絶賛してたっけ。
俺にはよくわかんねぇけど、すんげぇ手の込んだ庭なんだろうな。
すると、横から足音が聞こえてきた。
足音だけで誰が来たのか察して、振り向かずに庭を眺めた。
『こんなとこにいたのか』
『ゲームしすぎたから、休憩しようと思ってな。鷹也と弘也はなんでここに?』
『剛が大部屋を出て行くの見えたから、ちょっと気になってな』
『右に同じ~』