BAD & BAD【Ⅱ】
……絶対嘘だろ、それ。
本当だったら、少し引くぞ。
なんで俺が部屋を出て行ったくらいで、あとつけてくんだよ。おかしいだろ。
前科者だから気になったんなら、まじで殴るぞ?
俺は、2重の裏切りをやって、気づいたんだ。このやり方は、一時的なものだとしても、やる方もやられる方も無駄に傷つくだけだって。
だから、俺はもう二度と、神雷を出て行くつもりはねぇ。
『で、本音は何なんだよ』
『あ、やっぱ気づいちゃった?剛は鋭いなぁ』
弘也が、大げさにチャラけながら言う。
ムカつく言い方すんな。
どつくぞ、こら。
『念のため、確認をしに来たんだ』
『確認?』
『俺らの作戦の確認だ』
鷹也は真面目で助かる。
最初2人に会った時、双子でもこうも違うのかと呆れたのを覚えている。
弘也みてぇなうっざい奴が2人もいたら、まとまるもんもまとまんねぇ、ごちゃごちゃした地獄になっちまう。
そんなのごめんだ。