BAD & BAD【Ⅱ】
『本格的に始めるのは、来週だったよねー?』
『失敗しねぇように頑張れよ?』
『わかってるって~!』
ニヤリと妖しく笑う弘也を横目に、俺と鷹也の胸にまた不安が募っていった。
すげぇ楽しそうだな、こいつ。
本当にわかってんのか?
……あぁ、心配だ。
もし危なそうなら、俺と鷹也でフォローしてやろう。そのあとで、弘也を蹴ろう。
『即失敗したらせっかくの作戦が台無しになんだから、しっかりやれよな』
『多分、即失敗はないよ』
弘也の栗色の眼が、急に冷たく尖った。
いかにも悪そうな顔をしている。
『だって、あいつと僕ら兄弟の間に、大した繋がりはないんだから』
冷酷に断言した弘也は、鷹也に同意を求める。
もちろん、鷹也も『ああ、そうだ』ときっぱり肯定した。