BAD & BAD【Ⅱ】
どこにいるんだ、幸珀!
いくら探しても、幸珀の姿は見当たらない。
……もしかして。
不吉な予感を感じながらも、足元に転がった鎖の先を目で追いかけた。
ドクンドクン、と鼓動が軋む。
『凛……!』
『っ、幸珀!』
予想通り、鎖の先に幸珀がいた。
さっきあれだけ探したのに、どうして今はこんな簡単に見つけられたんだ?
そんな疑問を上書きするくらい、目の前の光景が残酷すぎて、俺の思考回路は埋め尽くされていった。
なんだよ、あれ。
うまく息ができなくて、顔が歪んでいく。
鎖が絡みついた、幸珀の体。
苦しそうな幸珀を支配するように、幸珀のそばに佇む、ふたつの影。
誰だ、あいつらは。
顔が暗闇に紛れて、はっきり捉えられない。