BAD & BAD【Ⅱ】
不協和音ディスコ
夏休みが明けてから、もう2週間目に突入した、雲ひとつない青々しい天気の火曜日。
昨日の作戦報告会で、弥生家をなんとかしよう大作戦に、本当にエンドマークが打たれた。
そのおかげなのかは定かではないが、総長である師匠は、神雷の皆と以前より仲良くなった気がする。
強固になった絆は、作戦報告会での騒ぎようにも表れていた。
つまり直訳すると、超絶うるさくてたかやんの説教の餌食になった、ということだ。すっごく大変だった。たかやんは、公共のテレビでは絶対に流してはいけない感じの顔をしてた。いや、まじであれはダメだよ。流す機会はないけど。……反省しよう、うん。
たかやんのせい、と責めるつもりはないけど、はっきり言えば寝不足だ。
ほ、本当にたかやんのせいじゃないんだよ!?……え?言い訳臭い?ちょ、やめてよそういうの。言い訳じゃないから。嘘じゃない、本当の本当に、たかやんのせいじゃないよ?安心して。
ただ、寝不足なの。何が原因とかはどうでもいいの。
まあ、私は常に寝不足なんだけども。
……何が言いたいかというと、私は今日もがっつり遅刻した。
教室に入ったら、ちょうど1時間目の英語の授業が終わって、私は使命感で「あっ、しまった、やっちまった!!」という顔をオーバーに表現してみた。
そしたら、小泉パパにガミガミ叱られた。なぜだ。
「お前の遅刻が決定した瞬間、ここにいる誰もが『やっぱり』って思ったよ」
「皆、私のことわかってるね。愛されてるなぁ」
「違うわ。喜ぶな。遅刻常習犯のお前が遅刻しても、やっぱりとしか思わないだろ」
小泉パパが、はああぁぁ、とあからさまに長くて重たいため息を私に吹かせた。