BAD & BAD【Ⅱ】




だってさー、今は特に、遅刻やサボりをしたくてたまらない時期なんだよ。



理由は、ただ1つ。

教育実習生のいる時期だから。



ほら、小泉パパのサポートとして、教室の後ろに善兄がいる。一瞬善兄の方を見ちゃった。最悪。


見たくも、会いたくも、触れたくもない。



あーあ、一気にテンション下がった。



「次から気をつけろよ……って注意しても、お前は聞いてくれねぇんだよなぁ」


「えっへん!」


「えっへんじゃないっ!!」



小泉パパは疲れた様子で、「もういいや」と投げやりに教室を出て行った。


え、ひどい。放置プレイ?

もっとかまってくれたってよかったのに。




「幸珀」


背後から、舐めるような視線を感じた。



ゾワリ、と背筋が震える。


気持ち悪い、この感覚は……。



「こっち来んな、変態!!」



振り返って、私を呼んだ善兄を威嚇した。


ついでに、私の名前も呼ぶな!関わるな!あっち行け!



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