BAD & BAD【Ⅱ】
警戒しながらも、たどり着けた自分の席に、とてつもない安心感を覚えた。
うぅ、私の席いいい!!やっと会えたねえええ!!会いたかったよおおお!!
「感動の再会かよ」
「あっ、たかやん!おっはー!」
「はよ。朝っぱらから元気だな、遅刻魔」
「えへ」
「キモい、ウザい、目が腐る、くたばれ」
「悪口のオンパレードだね!?」
サラリーマン臭が漂うたかやんの姿を一目見たら、なんだかエネルギーが湧いてきた。たかやん、ありがとう。
私とたかやんが明るく喋っているところを、遠くから監視していた善兄が、人1人殺したような表情をしながら静かに教室を出て行った。
いつの間にか教室にコスモカラーの髪の変態がいなくなっていて、私のテンションは急上昇する。
やったー、善兄が消えた。私は今、スーパーハッピーだよ!
「やった!やった!やったー!」
「……いきなり騒ぎ出す意味不明な奴の隣から早く解放されてぇ」
「なに言ってんの?」
「それは俺のセリフだ」