BAD & BAD【Ⅱ】
まあ、今はあんたの俺様根性に免じて、デコピンはやめておくとしよう。
また今度のお楽しみ。
右手を元に戻して、お弁当を広げようと地面に座ったら。
「悪ぃ、遅くなった」
たかやんが一言告げながら、屋上にやって来た。
購買の袋がパンパンだ。どんだけ買ったんだろう。
あ、もしかして、たかやんと弘也と剛の3人分かな。それならその量にも納得だ。
「なんだ、屋上にいんの俺達だけか」
「ん?剛、身長縮んだか?」
「縮んでねぇよ!」
朔が悪気なさそうに謝りながら、剛の頭をポンポン叩いた。
身長をイジるなら、剛より桃太郎の方がいいよ。
でも、声のトーンからして、朔はイジったわけじゃなさそう。
本気でそう思ったんならさ、それは剛が縮んだんじゃなくて、朔の身長が伸びただけなんじゃないの?
朔、まだ成長するんだ。いいな。私の胸も成長しないかな。切実に。
「やっほー☆ランチのお誘い、サンキュー☆」
たかやんと剛の後ろから、弘也の愉快な声が聞こえてきた。
『☆』の存在、強調しすぎじゃない?
ちょっとは控えてよ!鬱陶しいよ!