BAD & BAD【Ⅱ】
そう、弘也は昨日までとは違って、髪がさらに短くなった。
パッツン前髪も封印され、みかん色じゃなかったら、たかやんと全く一緒だ。
こういう髪型ってなんて言うんだっけ。えーっと、確か、ツーブロック?みたいな感じでさっぱりしている。
「どうして切ったの?」
「たまにさー、双子でおソロの髪型にしたい時ってあるじゃん?」
「いや、知らないよ」
『あるじゃん?』って聞かれても、答えようがないわ。
私、双子じゃないし。一人っ子だし。
「それで、こうしちゃいました~」
弘也の隣に座ったたかやんに、弘也の肩が寄せられる。
「似合うっしょ?」
「みかん色やめたらもっとかっこいいよ」
「この色はお気に入りだからやめなーい」
似合うか似合わないかは別として、たかやんと弘也が並んでると、本当にそっくりなんだと思い知らされる。
今までは「似てるなぁ」とぼんやり感じていたくらいだったけど、髪型を揃えただけで、ここまで双子らしさを浮き彫りにできるとは……。
髪色を合わせたら、どうなっちゃうんだろ。似すぎてるのも怖いな。