BAD & BAD【Ⅱ】
えー、真っピンクよくない?ネタとしてはありだよ。
好きな異性のタイプに「面白い」がよく入ってるしさ、たまにはそういう系に挑戦してもいいじゃないの?
「みかん色にして、僕とおそろいにしちゃう~?」
「それも却下」
「えぇー、いいじゃんみかん色!」
「嫌だ」
「真っピンクとみかん色だったら?」
「どっちも嫌だ!」
弘也が積極的に食い下がって、朔にみかん色をおすすめし続ける。
私は真っピンクをおすすめしよう。派手だし、どこにいても朔の居場所がわかる。便利でしょ?
朔と弘也の攻防は、長々と続いた。
私とたかやんと剛はお昼ご飯を食べながら、2人の言い合いを笑いながら傍観していた。
最初は私もおすすめ合戦に参加していたけど、途中で疲れてリタイアした。あとは任せたぞ、弘也。
「朔ならなんでもいけるって」
「そんなのわかってんだよ。俺はかっこいいからな」
「じゃあ、なんで拒んでんの~?」
「これは気持ちの問題だ!」