BAD & BAD【Ⅱ】
「……ていうか、あんたはそういう話を世間話って呼ぶの?」
「も、もういいだろそれは!!」
顔を真っ赤にさせた朔を、カラカラ失笑する。
「受験生なのに世間話してて大丈夫なの?」
「あ?誰の心配してんの?」
朔が、急に俺様な性格を全面に出してきた。
誰のって、へっぽこボディーガードのあんたのだよ。他に誰がいるの。
「俺の頭脳、なめんじゃねぇぞ」
鼻で笑うな。イラッときたわ。
朔に心配されたから、お返しにと思って朔の心配をしてあげたけど、するんじゃなかった。
態度がでかい朔のことだ。自信がつくように、陰ながら努力しているんだろう。
要らぬ心配だったな。
そもそも、朔の進路なんてどうでもいいし。
「今は俺の心配より、自分の心配してろよ」
「だよね」
「即答されるとムカつくな」
あんたが言ったんだろうが。
即答以外の選択肢はない。