BAD & BAD【Ⅱ】
朔と喋っていたら、いつの間にか苦しさが失くなっていた。
幼なじみパワーってやつで、消滅させられたのかもしれない。
そういうことなら、朔に感謝しなくちゃ。ありがと。軽いとか、もっと感謝の気持ちを込めろとか、ぎゃーぎゃーいちゃもんつけないでね。
私、わかってるよ。
朔が私を気遣う余裕もないくらい、平静を失いかけたこと。
そのせいで、何も浮かばなくて、ろくなワードをチョイスしちゃったり、棒読みになっちゃったりしたこと。
ちゃんとわかってるからね。
脳裏では、思い出してしまった秘密が何度も過っては、幼き日の思い出をノックしていた。
朔にも言えない内緒の秘密を忍ばせながら、またサボってしまおうかと、再び屋上の扉を開けた。
2人で踏み込んだ屋上は、先程よりも寒く感じた。
そして、ようやく。
長いようで……やっぱり長かった、教育自習の期間が終わった。