BAD & BAD【Ⅱ】
元の生活が戻ってきた、月曜日。
珍しく清々しい気分で目覚めた私は、朝から学校に元気よく登校していた。
あ、もちろん寝坊はしたよ?だけど、お母さんの大声で起きたの。えらいでしょ?
下駄箱で靴を履き替えていたら、
「幸珀」
と、背中越しに声をかけられた。
この声は、あいつだな。
振り向きざま、明るく挨拶をする。
「おはよ、たかやん!」
あれ?
思わず、目を丸くした。
「幸珀が間違えるなんて初めてじゃね~?」
「……ひ、ろや?」
「鷹也じゃなくてごめんねぇ」
私に声をかけてきたのは、たかやんじゃなくて、弘也……?
髪色は確かに、弘也のトレードマークであるみかん色だ。