BAD & BAD【Ⅱ】
……探してただって?
わかりやすい嘘つくな。
これのどこをどう見れば、私を探してるように見えるんだ!
4人の手にはスマホがあり、ほんのりチョコレートの香りもする。
私が大変な目に遭っていた時に、お前らがチョコレートを食べながら、スマホをいじってたのがバレバレだよ!せめて隠す努力しろよ!
朔は私のボディーガードなんだから、ちょっとは焦ってよ!
たかやん達も残ってるんなら、校舎中探し回ってよ!
「朔の警護が甘かったせいで、善兄に絡まれちゃったの!!」
「はあ!?……まじか、よく逃げてこれたな」
「私は朔と違って、有能だからね」
「お前が有能とか、世も末だな」
少し……いやすっごく反省してる朔のそばで、
ボソッと悪口を吐いた剛の呟きが聞こえたので、もちろん超絶痛いデコピンをして成敗しておいた。
素敵なスマイル付きで。
デコピンで許してあげるなんて、私って優しいな。
「兄貴の奴、抜け目無さすぎだろ」
「善兄は無駄にスペックの高い天才なんだから、油断してたら足元すくわれるよ?」
「お、俺だってハイスペックだし!!」
「今はそんなことで張り合わなくていいから」