BAD & BAD【Ⅱ】
空気を入れ替えるために開けられた、外に繋がる体育館の扉。
そこから、上履きのまま体育館を出た。
薄く彩られた水色の空が、頭上に広がっている。
「ところで、」
「でも、やっぱり」
どこに向かってるの?、と尋ねようとしたら、唄子ちゃんにタイミング良くかぶせられた。
唄子ちゃんには私の言葉が届かなかったのか、唄子ちゃんは平然と話を続ける。
本当に話聞かない組なんだね。
些細な質問だったから、別にいいよ。譲ってあげる。私、先輩だし。さあ、気にしないで続けて、どうぞどうぞ。
「今だけだとしても、あたしより幸珀先輩の方が、ひろちゃんやたかちゃんと距離が近いのは、納得いきません」
「へ?」
ヤキモチ宣言!?
唐突だな、おい。
……いや、そうでもない、か。