BAD & BAD【Ⅱ】
置いていかないでよ!扉開けてよ!
なんで証明するために、私を閉じ込める必要があるの!?なんで扉は開かないの!?
また扉を開けようとしてみたけど、何かがつっかかってるみたいで、開けられない。
近くに落ちてた木の棒がうっかり挟まっちゃったのか、もしくは故意的に挟められたのか。
あの言動からして、どう考えても後者だな。
「剛よりよっぽど策士だな」
って、感心してる場合じゃない。
どうやって脱出しよう……?
倉庫内には、後方に小窓が設置されてある。
そこから日が差していて、懐中電灯やライトがなくても辺りは見える。
しかし、小窓から抜け出すのは無理だ。いくら私が小柄な体型をしていても、リスくらいちっちゃくないと、あれはくぐれない。惜しかったな。
「何か役立つ物ないかな~」
キョロキョロ、周りを見渡す。
固いマット、柔らかく曲がる棒、色とりどりのコーン、白く汚れたライン引き……。
それから、かごの中に大量にあるボール。
「よし、ボールを投げつけてみよう」
かごからボールを1つ取り出して、扉の方に思い切り投げてみた。