BAD & BAD【Ⅱ】
所在不明ピンキー
放課後、体育倉庫の扉の件を、小泉パパに1時間も長々と説教された。
小泉パパ、厳しいな。おおらかさの欠片もない。
扉も古くなっていたことから特別にお咎めなしになり、小泉パパに解放された。
私は職員室を出て、教室に戻った。
「はぁ、疲れた。……あれ?朔じゃん」
誰も、たかやんさえもいなくなった教室には、なぜか朔がたかやんの席に座っていた。
透けた黄金色の日差しが、朔の横顔を照らす。
朔は私の姿を見つけると、くたびれたように頬杖をついた。
「何してんの?」
「お前を待ってたんだよ」
は?
なんで、俺を待たせるとはいい度胸してるな風に、えらそうにしてんの。
あんたが勝手に待ってたんだろうが。
「私に何か用?」
「一緒に帰るぞ」
自分の席に行って、カバンに教科書等を詰め込もうとした手を、一旦止める。
こいつ、今なんつった?