BAD & BAD【Ⅱ】
私ね、幸せだよ。
仲間がいて、家族がいて、好きな人がいて。
すっごくすっごく、幸せ。世界で1番なんじゃないかってくらい、幸せだよ。
2人とも、本当に長生きしてよね。これから「ありがとう」と幸せを返しながら、親孝行していく予定なんだから。
ちゃんと、親友さんの分も、私達を見守っていてね。
「ほら、朔も一緒にギュッてしようよ!」
「は?やだよ、んなハズいこと誰がすっか」
「反抗期?」
「ちっげぇわ!」
赤面状態で反論されてもな。威力ほぼないぞ。
愛してるよって囁くならともかく、ただ抱擁するだけじゃん。恥ずかしくないよ。外国では当たり前のスキンシップだよ。
「今しかないよ!この歳になって、親にめいいっぱい甘えられるのは」
「ガキじゃあるまいし……」
「さあ!遠慮しないで!」
「いくら言われようとしねぇよ!?」
頑固だなぁ。ハグくらい照れずにやってくれればいいのに。
しょうがない。朔の甘えたい気持ちも汲んで、私が2人分抱きしめてあげるか。