BAD & BAD【Ⅱ】




より強く、お母さんといちごさんを抱きしめる。


これからも私達の親として、よろしくね。



2人は微笑みながら、私の頭をポンポンと撫でてくれた。


とても大きくて温かな手だった。


これが母親の手。そう思うと、不思議と瞳が潤んでいった。





「幸珀、そろそろ着替えろよ。集会に遅れちまう」


「あっ、そうだったね」



そういえば、今日は大事な会議があるんだっけ。うっかり忘れてたよ。


お母さんといちごさんから身を離して、リビングを出ようとしたら、お母さんに呼び止められた。




「あんた、今日も遅くなるの?」


「うん、多分」


「そう。じゃあ、今日の夕飯は要らないわね」


「うん。ちなみに、夕飯のメニューは?」


「いちごちゃんの家と一緒に食べるから、豪華に手巻き寿司」


「えええっ、ずるい!」




どうして私が夕飯を食べない日は、決まってごちそうなの!?



< 391 / 730 >

この作品をシェア

pagetop