BAD & BAD【Ⅱ】
より強く、お母さんといちごさんを抱きしめる。
これからも私達の親として、よろしくね。
2人は微笑みながら、私の頭をポンポンと撫でてくれた。
とても大きくて温かな手だった。
これが母親の手。そう思うと、不思議と瞳が潤んでいった。
「幸珀、そろそろ着替えろよ。集会に遅れちまう」
「あっ、そうだったね」
そういえば、今日は大事な会議があるんだっけ。うっかり忘れてたよ。
お母さんといちごさんから身を離して、リビングを出ようとしたら、お母さんに呼び止められた。
「あんた、今日も遅くなるの?」
「うん、多分」
「そう。じゃあ、今日の夕飯は要らないわね」
「うん。ちなみに、夕飯のメニューは?」
「いちごちゃんの家と一緒に食べるから、豪華に手巻き寿司」
「えええっ、ずるい!」
どうして私が夕飯を食べない日は、決まってごちそうなの!?