BAD & BAD【Ⅱ】
うぅ、私も手巻き寿司食べたい。
たまり場に行く気失せた。
「幸珀ちゃん、用事でもあるの?」
「用事というかなんというか……」
「幸珀ちゃんも一緒に食べましょうよ」
いちごさん、聞いてないんだ。私が不良になったこと。
たまり場に行くのは用事というより、退屈しのぎと言った方が正しい気がする。
やっぱりたまり場に行くのやめて、手巻き寿司食べようかな。そっちのが絶対いいよね、うんうん。
「夕飯時になったら善もここに来るわよ」
「実は急ぎの用事があるのでやめときます」
それを早く言ってくれ。
夕飯が豪勢な手巻き寿司だろうと、善兄が来るなら即刻却下だ。
善兄と食事なんかしたくない。美味しいものも美味しくなくなる。心地悪すぎて味がしない。
善兄が来なければ、私も手巻き寿司にありつけただろうに。悔しい。ここはあきらめるしかないな。
そして、私は肩を落としてがっかりしながら、自分の部屋に行った。