BAD & BAD【Ⅱ】
眠り王のミッドナイト
沈みかけている夕日を背景に、朔と洋館への道をたどっていく。
……だけど、さっきから隣の奴の視線が痛い。
じろじろじろじろ、上から下まで舐めるように凝視しやがって。うざったいんだけど。
「なに?」
イライラしながら睨んだら、なぜか朔が顎に手を添えた。
私を観察しながら考え事?私に何か?
かっこつけてるみたいで気に障るから、そのポーズやめてくれない?
「……うん、やっぱ俺の方がかっけぇな」
「今すぐくたばれ」
「グホッ!……ってぇな、何すんだよ暴力女」
「ねぇ、どうやったら俺様って滅びるのかな」
「満面の笑みで恐ろしいこと聞くな」
お前こそ、しょうもないこと考えてんじゃねぇよ。
私のイケメンさを見定めんな。私に膝まづきやがれ。
もう1回くだらないこと発言したら、またお腹殴るから気をつけて。