BAD & BAD【Ⅱ】
さっき何回も朔を物理的に黙らしたから、なんか疲れちゃった。
甘い物食べて、体力を回復させたい。
「ちょっとコンビニ寄ってもいい?」
「何買うん?」
「んー、アイスとか?」
「じゃあ洋館に着く前に食べきろよ。でなきゃ凛に奪われんぞ」
あ、そっか。
あのアイスマンに、食べてるアイスをロックオンされたらやばい。
「じゃあゆっくり歩いて行こうっと」
「そしたら集会に遅刻しちまうだろうが!」
あんたって、こう見えて根は真面目だよね。
なんで不良やってんの。
「もう大分遅刻してるんじゃない?だったらいつ行っても同じじゃん」
「そんなんだからお前はダメなんだよ」
「学校ではサボってるくせに」
「学校はいいんだよ、学校は」
「何その、ややこしい朔ルール。そんなんだから朔は弱いんだよ」
「弱くねぇし!」
「私より弱いじゃん」
「……くそっ」
朔は道端に落ちていた小石を蹴って、八つ当たりした。
ははっ、勝った~!