BAD & BAD【Ⅱ】
「幸珀の異名だよ!」
「誤解を与える言い方やめてください」
いつそれが私の異名になったんですか。嘘教えないでもらえます?
師匠が勝手にそう呼んでるだけでしょ?こっちに被害をもたらさないでください。
私に異名なんかありません。あるとしても、パーカーマンじゃなくて、スーパーキュートヤンキーみたいなウルトラ可愛い名前ですよ。
「アーユーパーカーマン?」
「悲しくもイエス」
英語で尋ねた朔が、盛大に噴いた。
「ブフッ……パーカーマン……っ、お前が……ふはははっ」
「笑うなハゲ」
「ハゲてねぇし、笑うなっつー方が無理だろ。……ふっ、あははは!!ひー、腹痛ぇ」
私は泣きたいよ。いろんな意味で泣きたい。
大笑いしてる朔に、どうして笑ってるの?と聞きたげに、師匠はキョトンとして首を傾げてる。
何この状況。意味わかんない。誰か助けて。
「ところで、師匠はここで何してるんですか?確か、特別な集会があるんですよね」
「おやつがいるかなって思って、買いに来たんだ」
「総長がおつかいに来てどうするんですか」
そこは下っ端か誰かに頼もうよ。総長がやることじゃないよ。