BAD & BAD【Ⅱ】
これでも幼なじみなんで、ちょっとは仲いいですよ。えへっ。
「ピースしてる暇あったら、さっさと食べろよ」
照れながらピースしてたら、朔に怒られた。
気が短いな。今食べてるじゃん。急かさないでよ。
口に含んだソフトクリームが溶け、喉を伝う。ペロリと上唇を舐めて、心の中で「ごちそうさま」と告げた。
「美味しかったあ」
「満足したか?」
「もう、大満足!」
「それはよかったな」
嫌味っぽく言うな。これでも頑張った方なんだよ。褒め称えてよ。
口の中に残った甘さが、飲料を求めていた。
何か飲み物がすごく飲みたくなってきた。真修に頼んだら、紅茶淹れてくれるかな。
「今度こそ開けるぞ」
「おけおけー」
両手でOKサインを出すと、扉を軋ませながら開いていった。
開放された扉の先に、ホールが広がる。