BAD & BAD【Ⅱ】




これでも幼なじみなんで、ちょっとは仲いいですよ。えへっ。



「ピースしてる暇あったら、さっさと食べろよ」



照れながらピースしてたら、朔に怒られた。


気が短いな。今食べてるじゃん。急かさないでよ。



口に含んだソフトクリームが溶け、喉を伝う。ペロリと上唇を舐めて、心の中で「ごちそうさま」と告げた。




「美味しかったあ」


「満足したか?」


「もう、大満足!」


「それはよかったな」




嫌味っぽく言うな。これでも頑張った方なんだよ。褒め称えてよ。



口の中に残った甘さが、飲料を求めていた。


何か飲み物がすごく飲みたくなってきた。真修に頼んだら、紅茶淹れてくれるかな。




「今度こそ開けるぞ」


「おけおけー」



両手でOKサインを出すと、扉を軋ませながら開いていった。


開放された扉の先に、ホールが広がる。



< 403 / 730 >

この作品をシェア

pagetop