BAD & BAD【Ⅱ】




そのホールでは、たかやんと凛が階段の手すりに寄りかかっていた。



「やっと来たか」


「えっ、たかやん、私のこと待っててくれてたの!?」


「違ぇよ。お前じゃなくて、京と朔を待ってたんだよ。勘違いすんな」



なーんだ、私のこと待ってたわけじゃないんだ。つまんないの。


おい朔、今ボソッと「自意識過剰おつ」って言った?言ったよね?目ぇ逸らすな。口笛吹くな。




「悪ぃ、遅くなっちまった。主にこいつのせいで」


「私のせい!?罪をなすりつけんな!」


「ああ、だろうな」


「たかやんも頷かないで!?」




だろうなって何、だろうなって!

朔とたかやん、意気投合しないで!?


そりゃ、ソフトクリーム食べてたせいで、ちょーっと遅くなっちゃったけど、それは私の胃袋のせいだよ。断じて私のせいじゃない。




「幸珀」


「ん?」



近くから名前を呼ばれて目を向ければ、目の前に凛がいた。


うわっ、びっくりした。いつの間に寄ってきてたの?気配感じなかったよ。幽霊かよ。



< 404 / 730 >

この作品をシェア

pagetop