BAD & BAD【Ⅱ】
無気力になった理由は聞いたけど、睡眠に関しては大して気にしたことがなかった。
小学生の頃の凛はうとうとしているどころか、いつもハキハキしていたっけ。
無気力になった理由と同じで、“あの日”からよく寝るようになった、とか?んなわけないか。あんまり結びつかないし、安直に考え過ぎだね。
いつからなのか、さっぱり見当がつかない。
「1年の時は、そうでもなかったよな」
「そうなの?」
「ああ。普通に起きてた気がする」
朔が当時の記憶を引っ張り出して、過去を想起する。
2人は1年生の時には既に不良で、よくつるんでたのかな。不良歴長いんだね。知らなかった。
……ていうことは、2年生になってから、凛はよく寝るようになったってこと?
1年前に何かあったのかな。
睡眠重視になる要因って、一体何?睡眠の妖精に、魔法でもかけられたの?
「なあ、凛。お前、1年の時はそこまで眠ってなかったよな?」
「……」
「おい、凛、聞いてんのか?」
「……」
なぜか、凛から返事がない。