BAD & BAD【Ⅱ】
まだ誤解してたんだ。ちゃんと訂正できて一安心だ。
今度から、人の話はしっかり最後まで聞こうね。素敵な幸珀先輩との約束だよ。
「そこまで仲良くないんですね」
「唄子ちゃんの仲良し基準の詳細が気になるなぁ」
朝一緒にいるかどうかが、仲良しレベルに影響を与えるの?そういうもんなの?
そもそも、笑顔で言うセリフじゃないよね?
腹黒な小悪魔感がバリバリ出てるけど、隠さなくて大丈夫?
「ところで」
「はい?」
「いつまた証明するの?」
話題を変えれば、唄子ちゃんは一瞬目を丸くした。
月曜日以来、なーんにも喧嘩を売ってこないから、どうしちゃったのかなって心配になってさ。
学年が違うと会う機会も少ないけど、唄子ちゃんが私の元に訪れさえすれば、いつでも大歓迎なのに。
「……幸珀先輩は、本当におかしな人ですね」
校舎に入ってすぐ、唄子ちゃんが動きを止めた。