BAD & BAD【Ⅱ】




つまり、今は昼休みってこと?

えっ、もうそんなに時間経ってたの!?


私、どんだけ寝てたんだよ。昼休み前には教室に行こうと考えてたのにな。ほんのちょっとだけ。



今がお昼だってわかったら、急にお腹が空いてきた。


私も3人に混ざって、お弁当食べようかな。隣にお弁当の入ったカバンあるし。




そうだ!せっかく3人は私の存在を察知していないんだから、後ろからわっと驚かせちゃおう。プチドッキリだ。


ニヤリと笑いながら、四つん這いになって、静かにバリケード近くに移動する。



机の下から顔を覗かせると、3人は空き教室にある椅子を3脚、輪になるように並べて昼食を摂っていた。


仲がよろしいことで。カレーパンを食べていたのは、剛だったのか。



驚いてくれるかな。微妙な反応だったら許さないぞ。




「今のところどうだ?気づかれてねぇか?」



カバンを肩にかけて机の下をくぐっている途中で、剛の問いかけの声が聞こえて、反射的に静止した。


もしや、ここに私がいることに気づいていながら、気づいていないフリをしてる!?



「いや、これっぽっちも気づかれてねぇ」


「だーから言ったでしょー?あいつと僕ら兄弟の間に大した繋がりはない、って」



弘也、今のガチトーンだったよね!?冗談じゃないよね!?

ひどいよ!見損なったよ!



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