BAD & BAD【Ⅱ】




まあ、話の主旨を聞き出すのはあとででいいや。


私の存在を認知していないとわかった以上、プチドッキリは継続だ。精一杯驚かしてやるぜ!



気配を最小限に抑えつつ、机の下を通り抜けてもそのまま四つん這いになって、3人に接近していく。




3人の内の1人に的を絞って、後ろから驚かせよう。誰が1番いいリアクションをしてくれるかなぁ。


たかやんは「お、いたのか」って平然と言いそう。剛はそれなりに驚いてはくれるだろうけど、反応が小さそう。



残るは、弘也か。



弘也ならいいリアクションしてくれそう。よし、弘也に決定。弘也を驚かせちゃうぞ。


抜き足、差し足、忍び足。物音ひとつ立てずにこっそりと、弘也の椅子の背後に移動した。




「このまま誰にもバレずに、作戦を成功させたいね~」


「ねぇ弘也、作戦って何のこと?」


「何って、剛が僕らのために考えてくれた…………って、こ、こ、幸珀ううう!?」




屈めていた身を起こしてひょっこり顔を出した私に、弘也がびっくりしすぎて椅子から落っこちた。


ドッキリのターゲットに、弘也を選んで当たりだった。ナイスな反応だったよ。



「お前、いつからここに……!?」


「朝から」


「朝!?」



たかやんもなかなかにいい反応をしている。たかやんがターゲットでもよかったかもね。


目ん玉飛び出そうだよ?そんなにびっくりした?いぇーい、ドッキリ大成功ー!



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