BAD & BAD【Ⅱ】
私の能天気さに、たかやんが長いため息を吐いた。
ため息のせいで、幸せが逃げていっちゃったよ?いいの?
「おい」
不意に剛に呼ばれて、剛の方を向いた。
「なに?」
剛はまだ口をパクパクさせて、目を見開いていた。
このプチドッキリにびっくりしすぎじゃない?
「今、2人のことなんて呼んだ?」
「え?」
顔を引きつらせながら、恐る恐る聞かれた。
その質問の意図を理解したのか、たかやんと弘也がハッとして顔を見合わせる。
なんでそんなこと聞いてくんの?
「弘也とたかやんだけど」
「そうじゃなくて!どっちをどっちっつったんだよ!!」
剛の荒ぶった興奮が、熱さを帯びていた。
落ち着いてよ。何そんなうろたえてるの?