BAD & BAD【Ⅱ】
「今、気づいたんじゃねぇのか?」
「ふ?」
「鷹也と弘也が入れ替わってること」
「へ?」
「おい、遊んでねぇでちゃんと言え」
「ほーい」
剛が先に『は?』って言ったから付き合ってあげたのに。
私のノリについてこれないとは、まだまだだな。修行不足だ。
「最初から見破ってたよ?」
「でも、この前は間違いだって……」
「罰ゲームか何かだと思って、楽しそうだったから放っておいた」
「適応能力高すぎだろ」
えへへ、それほどでも~。
でも、入れ替わってるってわかってる上で、2人を逆に考えて対応するのはややこしくて、意外と難しかったな。
弘也に扮していたたかやんが、転んだ動画をもう見せたくなくて剛の動画を再生した時は、最高に面白かったけど。
「私が仲間を間違うわけないじゃん」
「お前以外、神雷の奴らでさえも、こいつらが入れ替わってることに気づかなかったぜ?」
「ってことは、私が超鋭いってこと?えっ、私の洞察力やばくない?私、超能力者だったのかな?きゃー、すごい」
「……お前、いい性格してるな」
剛、今日どうしたの?私のこと、めっちゃ褒めてない?私の素晴らしさにようやく気づいちゃった?もうっ、気づくの遅いよ。