BAD & BAD【Ⅱ】
「どうだ、やべぇだろ?」
「これはやばいね」
ここで笑みをこぼしちゃう私も、かなりひねくれている。
そこまでしなくてもなんとかなりそうなのに、現状がどうであれ、プライドをズタボロにへし折る気満々らしい。
徹底的に追い詰めたいんだね。大宮ツインズを苦しめる、金髪碧眼の元凶を。
あー、怖い怖い。最近の若者は血の気の多い子ばっかりで大変だ。
「協力、してくれんだろ?」
剛、それは愚問だよ。
こんな興味をそそられる、極上の退屈しのぎは他にない。
「いいよ、協力してあげる」
私がやるべきことは特にないんだろうけど、これもひとつの縁。作戦に参加させてもらおうか。
今3人が行っていることは、いわば唄子ちゃんの言う「証明」だ。
どちらも、証明したくて必死。しかも、正反対の事柄を真実として示そうとしている。
私が見届けよう。どちらの思惑が、証明されるのか。
明日、決着が着くんだっけ?わあ、楽しみ。今夜は眠れないかも。