BAD & BAD【Ⅱ】
素っ気なく一刀両断したら、弘也がガーンという効果音に似つかわしい顔面になった。
うわ、今の最高。もう1回やって?写メるから。
「お母さーん、幸珀がいじめるよー」
「誰がお母さんだ」
「違うのぉ?」
「こんなだらしねぇ息子を持った覚えはねぇ」
「うわーん、お母さんまで僕をいじめるよー」
「嘘泣きすんな」
しょぼくれているフリをしてる弘也に、たかやんが問答無用でビンタした。
すっごいいい音した。痛そう。たかやんは弟相手にも容赦ないな。
「ていうか」
「ん~?」
私の呟きに、弘也が叩かれた頬をさすりながら反応した。
「ただ単に、2人が過去を語りたいだけなんじゃないの?」
すると、弘也とたかやんの肩がギクッと持ち上がった。
図星かよ。わかりやすいな。